日和見アカデメイア

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道とは何か

 春秋戦国時代に生まれた思想の中に、道家という思想がある。道家とは別名で老荘思想と呼ばれ、世俗からの超越を説く思想だ。世俗社会で上手く適合できない僕のような人間も優しく包み込んでくれる老荘思想に最近は傾注しつつある。

 

 僕らは常に何かの対象と自分を相対的に評価して暮らしている。自分と他人の区別を常につけて、他人を意識して生活している。僕自身もそうなのだが、他人に対する妬み嫉み、怒り、期待に振り回され苦しみに満ちた生活をしているのだ。人間には肉体という空間的に他人と区切られた、物質に精神が格納されている。その便宜的な区別が僕らを他人に対する迷妄に導く。

 

 老荘思想は、生きとし生けるものすべては「」と呼ばれる偉大なる力から生かされていると教えている。道は、僕らの感覚器官では認知できない。知識という知識を減らしていって、あるがままを見る心でしか感じることができない直感的なものだ。しかしながら、僕らは「道」に生かされている。この事を荘子は「万物斉同」と呼んだ。僕ら人間、石ころ、植物、犬や猫、いろいろな生物、物質が地球には存在しているけれど「道」からすれば皆一緒。ただあるだけなのだ。

 

 何かを比較対象とした相対認識の世界では常に悩み苦しむ。ナンバーワンになっても所詮は一時の快楽。次の瞬間には無数のライバルが出現しているのだ。僕も他人に対する無知蒙昧から嫉妬心に狂うことがある。そうならないためにも老荘思想の真髄の一欠片でも頭の隅に置いておきたいものである。